年の瀬もせまる年末のある日。かねてから自分だけのオーディオルームが夢だった夫の優介が、半ば強引に決めた新居へ越してきた。地下にあるレンガ張りの殺風景な部屋。優介はそこを大改造するのだと張り切っていたが、妻の素子は、その部屋の異様な雰囲気に気が重い。埃だらけのビデオカメラを発見する素子。再生するとそこに映るのは一人の女性であった。カメラに語りかける奇妙な女。どうやら前の住人が忘れて行ったビデオレターのようなものらしい。脈略のない語りに引き寄せられてしまう素子に恐怖が襲う。奇怪な事に気付く二人。撮影された場所は間違いなくこの部屋。画面に表示される日時は・・・二人がとうに引っ越していたはずの、まさに今現在の時間を告げるタイムレコーダー。淡々と不可解な行動と言動をする画面の女。頭のおかしな女が留守の間に忍び込んでいるに違いない!二人は一泊の旅行を機に部屋に隠しカメラをセットする。帰った二人は、さっそく映像を検証する。その中に見え隠れする怪現象。そしてあの女の姿。やはりこの部屋には誰かがいるのだ。警察に電話をしてくると言い部屋を後にする優介。気味悪がる素子の前で映像の続きが勝手に再生し始める。そこに映るのは楽しそうに部屋に入ってきた二人。独り閉じこめられた素子。やがて待ち受けていたものは・・・!?