魔斬子同士が激突した。鋭く流麗な技、白い魔斬子・美月(ミツキ)は、黒い魔斬子・日向(ヒナタ)を完全に圧倒する。その美月は、魍鬼の寄餌として利用している青年刑事・宮下の誠実さを、何か特別な視線で見つめ始めていた。感情を持たないはずの魔斬子。日向もまた、今までに出会った事のない人間・美佐の特異な行動に戸惑い未知の苦しみを一層募らせてゆく。そしてついに、大型の母体魍鬼の総攻撃が始まる。しかし美月は、宮下の亡骸を茫然と見下ろしていた。その背後から襲い来る魍鬼軍団。現れた別の魔斬子が、戦意を消失している美月に渇をとばす。正気さえも失い自ら魍鬼と化して、魔斬子を殲滅してゆく美月。美佐が狂気の美月に捕らわれる。走る日向。最期の一匹が美月・・・勝機が微塵も見えない決戦の場へ、日向は走った。